抗蒙の丘(オルム)/金重明(キムチュンミン)


 朝鮮で対蒙古戦争に生きた三別抄たちの物語である表題作を含む短編集。
 副題は「三別抄耽羅戦記」。
 著者は在日韓国人の方だが日本を舞台にした歴史小説を書いており、評判も悪くないようだ。
 本作は短編集であるが、このブログは世界史縛りがあるので、表題作のレビューをする。

 高麗末期、朝鮮半島はモンゴルの支配下に入ったが、それをよしとせずモンゴルに抵抗し続ける組織があった。精鋭部隊三別抄である(別抄とは特「別」に「抄」われた軍、の意。右別抄、左別抄、そしてモンゴルからの脱走に成功した神義軍からなる)。おおかた役割が権威に偏りかけていた公家政権は降伏したが、実権を握る武家政権は抵抗を続けていた、と言えばよかろう。

 短編なのですぐ読める。総司令格の金通精ではなく崔芝賢という人物に中心が置かれている。
 例によって例の如くモンゴルの非道が書かれているが、まあ、侵略を受けた側から書いているのだから仕方あるまい。そこそこ面白く読めた。
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鉄勒京二

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