シナン/夢枕獏


 オスマン帝国最大の建築家、ミマーリ・シナンを描いた歴史小説。著者は「陰陽師」などで有名な夢枕氏。
 
 激動の16世紀、オスマン帝国で建築家として名を成したシナン。彼が生涯作り上げた建築はおよそ500に上るという。これはビザンツのアヤ=ソフィアに挑み続けた彼の物語である。

 あくまでも個人の感想だが、予備知識があるためか下巻半ばまでは退屈だった。しかし、ただ淡々と見、考え、動いてきただけだったシナンが最後につく一つの嘘、それが何とも言えない思いを引き起こす。
 スレイマン大帝とイブラヒムの関係、友人ハサンの死去に際しシナンの感情描写が無いこと、全ては最後に繋がっている。上下読了して初めて面白さがわかると言えよう。

 ついでに言っておくと扉にルーム=セルジューク朝時代の詩人、ジャラールッディーン=ルーミーの詩があるのが嬉しい。
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鉄勒京二

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