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乱神/高嶋哲夫


 つい先月刊行された本。日本へ流された十字軍の騎士が、元寇に対して幕府軍に協力する、という一見して荒唐無稽なエピソードをそれなりにしっかりまとめたもの。評判通り読みやすいので歴史小説をあまり読まない人にもおすすめ。
 
 第9回十字軍(エドワード王太子とシャルル・ダンジューがアッカを攻めた十字軍)でシリアに渡ったヨーロッパ人達が、流されて日本へ渡り、すったもんだしながら次第に日本に心を開いていき、最終的には元軍との戦いに参じる、という物語。欧米が所謂「ウエスト・ミーツ・イースト」もの(「王様と私」や、最近のもので言うと「ラストサムライ」など)で散々やらかしてきたストーリーの焼き直しではあるが、戦術に関する考証や鎌倉時代という時代設定もあって、それなりに読めるものになっている。
 個人的には最後の「十字軍」という語の使われ方に感心した。
 主人公のヨーロッパ人一行の中に一人だけサラセン人(商人というから多分アラブ人だろう)ムスリムがいて、それなりに知的でイスラムの文化のレベルの高さを見せてくれるのだが、他にそれほどムスリムとしての特徴が出ているわけでもないのでわざわざこの設定にすることもなかったかなとも思う。
 ともあれ、総括してはそれなりに面白く読めた。ちなみに作者は普段歴史ものを書かないらしいが、巻末の参考文献にほほえましいものを感じたのは管理人だけだろうか。

章立て
プロローグ
第一章 漂着
第二章 博多
第三章 時宗
第四章 鎌倉
第五章 準備
第六章 合戦
エピローグ

 「バグダードがキリスト教徒に攻められた」など、史実を知っていると少々胡乱な記述もあるが……まあ、流せるレベルではある。
プロフィール

鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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