匈奴/沢田勲


 副題は「古代遊牧国家の興亡」。
 モンゴル高原で大勢力を誇った初期の騎馬遊牧民族、匈奴の通史。
 
 日本語で読める匈奴に関する本の中では、平易でかつ詳しい。扱われているのは、匈奴が史上初めて名前を見せる戦国時代から、五胡十六国の動乱で匈奴が趙漢や夏を立てるまでのおおよそ600年。現状で使える一次史料の多くを使いまた考古学的な成果についても触れている。
 通史の他に、社会体制や文化にも章を割いてあり、王昭君悲話に関する分析、匈奴を討った漢の将軍霍去病らのエピソードなども扱っている。
 また、著者の見解だけでなく複数の説を載せてあるので、それらについて考えながら読むことが出来る。

 手元にある本は'06年の第8刷だが、第1刷が'96年なのでそれなりにロングセラーになっているようだ。宜なるかな、面白く役に立つ本である。
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鉄勒京二

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