バルバリア海賊盛衰記/スタンリー・レーン・プール


 地中海で活動したバルバリア海賊達に焦点を当てた本。原書は1890年初版というから既に120年前の本だが、その価値は未だ褪せていない。
 
 本書が扱うのは北アフリカ沿岸を根城に勢力を張ったバルバリア海賊。第一部は赤髭ウルージからレパントの海戦まで、第二部はそれ以降近世まで。ヨーロッパ側の、しかも古い本なのでクルチ・アリの表記がオキアーリになっていたりするが、そこは目を瞑ろう。また、あくまでバルバリア海賊の本なのでケマル・レイスやピーリー・レイスなど、ハイレディン以前のオスマン海軍の提督については別の本を当たる必要がある。
 とまれ、貴重な書籍であることに変わりはない。ドゥラグト・レイスとヨハネ騎士団総長ジャン・ド・ラ・ヴァレットにまつわる逸話や、レパント・プレヴェザ両海戦のオスマン側の詳しい解説、レパントで負けてからのオスマン海軍の動向など、なかなか得難い情報が掲載されている。
 
 出版していたリブロポートがなくなったため、今では古本でしか手に入らないが……。冒険の世界史シリーズはちくま学芸文庫に再録されているものがある(アラブが見た十字軍、暗殺者教国他)からこれも出してほしいものである。
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鉄勒京二

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