イスラムとヨーロッパ/前嶋信次著 杉田英明編


 東洋文庫に収録された前嶋信次著作選の2巻目。イスラーム世界とヨーロッパの交渉史を中心にまとめたもの。
 
 正直東洋文庫の例に漏れず割高なので図書館で借りることをおすすめしたい……が、内容はすこぶる面白い。

 十字軍、イスラーム=アンダルスの歴史に関してまとめてある部分では、平易な文章で、時に複数の見解を紹介しながらまとめてある。また、グレースケールながら写真も多い。
 現在にいたるまでのイスラーム史研究の流れを俯瞰している部分には、ヨーロッパの史家の業績、問題点、相互評価、日本のイスラーム史研究の位置等を見ていく。
 初出が30年ほど前など古い文章もあるが、イスラーム史の草分けである著者の文章だけあって、今でも通用する部分が大いにある。

 個人的には近代イスラムの胎動の部でのイスラーム世界の動きが非常に参考になったのと、本文末の質疑禄が面白かった。
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鉄勒京二

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