生き残った帝国ビザンティン/井上浩一


 平易な文書で書かれたビザンツ帝国の概説史。著者曰くE.ギボンの「ローマ帝国衰亡史」と対象を同じくするが、こちらは「ビザンティン帝国興亡史」であるという。
 
 ビザンツ帝国に関する入門書としてはそれなりに手頃なのではないか。専門家の手による本なので誤謬も少なかろう。ローマの東西分裂から、オスマン帝国による征服まで、「何故1000年も続いたか」という疑問を縦糸にビザンツの保守的でいて柔軟な性格を見ていく。

 節目節目で重要な役割を果たした皇帝をピックアップしつつ、制度史や社会についても記述を挟む。分量として充分と言えない部分もあるが、この厚さで1000年を扱うのならこういう書き方になろう。
 ビザンツ史に関してはもっと分厚い通史があるので、深い部分が気になる人はそちらに当たるとよい。
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鉄勒京二

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