通商国家カルタゴ/佐藤育子 栗田伸子


 興亡の世界史3巻目。タイトルにあるのはカルタゴのみだが、旧約聖書の時代からのフェニキア・カルタゴの通史である。管理人はあまり詳しくない分野なのだが、通史としては日本初となるそうだ。
 
 カルタゴ史の本を他に読んだことがないので比較は出来ないのだが、二人で分担して書いている(どちらかというと栗田氏はローマ史が専門、佐藤氏はフェニキア・カルタゴ史が専門だそうである)割にはよくまとまっていたのではないか。
 地中海の歴史の中で、あくまでローマの敵としてしか扱われてこなかったカルタゴを、主体的に、それも前史から描く。オリエントで興亡した諸大国(アッシリア、アケメネス朝等)との関係や、西方殖民に関しても詳しい。
 一般的に関心が向くと思われるポエニ戦争とその前後の記述も必要十分だろう。
 繰り返しになるが、よくまとまっており、カルタゴ史初学者向けの本と言えよう。ただ、周辺のギリシア・ローマ・オリエント史の知識が無いと厳しいかもしれない(管理人はその手のパターンだった)。


 本文とは関係ないが、はさんである小冊子のバルトリドの紹介を見て改めて彼の偉大さを思い知った次第であった。
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