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モンゴル帝国の興亡/杉山正明


 杉山正明教授の手によるモンゴル帝国の通史。新書なので入手しやすく値段も手頃。
 主張自体はおおむね例によって例のごとくなので割愛する。
 杉山教授の本はいろいろと読んできたが、ひとまず大元ウルスだけでなく西方まで見通しての帝国の通史と言えるのはこの二冊か。著者自身があとがきで述べている通りイラン・ロシア方面の記述が欠けているとは言え、最低限中央の大元ウルスにかかわってくるファクターは押さえてあるので、帝国全体を見渡した時に必要な分量としてはむしろ十分ではないか。もちろん、その点詳しい本を書いてもらえるならそれはとてもありがたいが。
 一方東方では、著者の他の一般向けの著作では十分に語られていない、モンゴルの朝鮮侵攻・支配と、日本への出兵についてもそれなりに詳しく書かれている。
 また、中央アジアのアレグ、バラク、ドゥアの流れは、必ずしも他の分野の本でも語られてこなかった面があるので(というのも、フレグウルスやジョチウルスはイスラーム史、ヨーロッパ史の文脈の中でよく言及される一方、中央アジアはそうではないため)、簡潔に記してあるのが嬉しい。

 帝国の通史としては白眉なものにドーソンの「モンゴル帝国史」があるが、本書ではドーソンの「帝国史」の問題についても言及されているので、「帝国史」を読む時にも傍らに置いておきたい。
プロフィール

鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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