ヴァイキング/イヴ・コア


 初学者向け:○

 副題は「――海の王とその神話」。絵で読む世界文化史シリーズの27巻目。ヴァイキングの歴史の入門には丁度よいと思われる。
 「蛮族」あるいは「悪魔」と呼ばれるような「その存在=破壊者」のイメージがつきまとう民族は、モンゴルしかりフンしかりヴァイキングしかり、決して非文明的な人々ではない。
 ヴァイキングは単に海賊業を生業としているわけではなく、時には商人となり、各地と通商を続けていた。絹の道の一端は、北欧にも通じていたのだ。
 ヨーロッパから初めてアメリカ大陸に渡ったのはコロンブスではなく、コロンブスより500年も前のヴァイキングのレイヴという男であった。

 序文から引用するに、「北欧側の資料に立って検証するとき,ヴァイキングたちは決して「悪魔」ではなく,キリスト教やローマ文明とは違った,宗教,文化,社会倫理をそなえた人々だったことがわかる」。
 その具体例を詳しく述べることに、大半のページが割いており、船の説明、武器の説明、暮らしの説明、そして神話の説明などがバランス良く盛り込まれている。

 北欧史は高校世界史でもほとんど出てこない。そのさわりを知りたい人におすすめしたい。

章立て

第1章 ヴァイキング以前のスカンジナビア
第2章 世界を制覇するノルウェー人
第3章 西ヨーロッパのキリスト教国を遅うデンマーク人
第4章 ルースと東方貿易
第5章 航海者と商人
第6章 ヴァイキングの社会と生活
第7章 神々と英雄
資料編

 しかしそれにしても、本のそこかしこでアラブ人の名前が出てくる。ディルハム金貨も通用していたというから、ヴァイキングの行動範囲の広さと、アラブの影響力の強さには驚くばかりである。
プロフィール

鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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