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天涯の戦旗 タラス河畔の戦い/小前亮


 タラス河畔の戦いと言えば8世紀半ば、東西の二大超大国、アッバース朝と大唐帝国が直接ぶつかり合った戦いとして名高い。そのタラス河畔の戦いを、ある宝物を絡めてミステリー仕立てで仕上げた歴史小説。
 
 タラス河畔の戦いは高校世界史では必須暗記項目だが、実際のところ製紙法が伝播した、という点が強調される程度で戦いの趨勢そのものについてはそれほど有名ではない。

 詳しい人なら遊牧部族カルルクの動向が決着をつけた、ということくらいは知っているかもしれないが、有名な割にそれほど華々しい戦いでもないので(完史や資治通鑑、新旧唐書などでもそれほど扱いが大きくない)、これだけの長さで書こうと思えば中だるみの危険は否めない気がする。実際、前半少しダレる。が、逆に細かいことがわかっていない舞台でもあるので石国やカルルクの内情、ある宝物をめぐる思惑、主人公格の一人である杜環のキャラクター付けなど、自由度の高い部分は筆が乗っているようにも思える。
 杜環主従のキャラ付けは個人的に当たりだと思った。
 欲を言えば二頁程度、最後に西アジア内を見てまわる彼らの様子が読みたかったと思わないでもない。

 ともあれ、イスラーム勢力の関わる話を書ける作家は限られているので、今後とも頑張っていただきたい次第である。
プロフィール

鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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