ロスト・キングダム スルタンの暦


監督:カイバン・マサイーク 主演:ブルーノ・ラストラ
 現代の伝承者(キーパー)が11世紀ペルシアのオマル・ハイヤームの物語を語る、という形式で話が進む。

 イランからアメリカへ移り住んできた一家の少年カムランは病院に入院しているナデルからオマル・ハイヤームの物語を聞いていた。しかし、彼はそれを語り終えぬまま亡くなってしまう。その物語を引き継ぐべく、カムランはイギリスへ、そして祖父のいるイランへ赴く。
 一方、ナデルと祖父が語る物語としては、オマル・ハイヤームとハサン・サッバーフ、そして奴隷身分のダリヤという女性の三角関係が描かれ、やがてオマルは時の支配者、スルタン・マリク・シャーの側近に、ハサンはイスラーム過激派、暗殺教団のトップとなり……。
 というような内容。

 あらすじだけ読んでどうもマアルーフの「サマルカンド年代記」によく似ていると思っていたが、どちらも「三人の学友」の伝説をモチーフにしているだけで、みてみればそれほどストーリーが重なるわけでもないようだ。
 個人的には面白く見れたが、もっと練りこめばいいものが出来たのではないかと思わないでもない。ただ、セルジューク朝時代の話であるのにティムール朝時代の建築であるレギスタン広場がメインの舞台として出てきたり、城塞では画面が固定されている場面があったりと画面作りに苦労しているようなので予算にも限りがあったのだろう。
 真摯な造りの話ではある。その点、ファンタジーめいた邦題とジャケットで少々損をしている気がするのだが……。

 ちなみにアメリカ映画ではあるが監督はイラン系の人とのこと。
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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