海嘯/田中芳樹


 宋末、文天祥を始めとして大元のモンゴル軍に抵抗し散っていった忠臣たちの群像劇。
 田中芳樹氏は中国史でも、あまり取り上げられない人物を小説に書くことに意欲を持っている作家だが、今回もその一環で、宋末の人々に焦点を当てて宋の滅亡を書く。
 主な登場人物は亡宋三傑(陸秀夫、文天祥、張世傑)、李貞芝、バヤン、アジュ、李桓、張弘範など。有名な文天祥一人に視点を絞ってしまうことなく、それぞれの生き方、死に様を描写している。この長さの小説としては登場人物がかなり多いが、登場させるタイミングと、キャラクターの書き分けが的確であまり混乱することはない。

 まあしかし、作品としてそれなりに高い評価を与えられているようではあるが、モンゴル贔屓の管理人からするとどうも素直に読めないところも無いではない。管理人は文天祥より呂文煥の方が好きなのであった。
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鉄勒京二

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