東西文化交流の諸相 民族・戦争/前嶋信次


 日本におけるイスラーム史研究の草分け前嶋信次教授の自選論文集。
 
 もとは一冊の本として出版された論文集を、四分冊して増補・改訂したものの一冊。
 収録されている論文は「古代アラビアの二民族 ―アードとサムード―」「タラス戦考」「アラビア世界と暗殺」「ハッティーンの決戦 ―サラディンと十字軍―」「元代戦象考」「中世バグダードの文化とその滅亡」。
 初出を見ると現在から半世紀以上前の論文もあるのだが、現在の学会でホットな話題となっていない研究対象があったりするため、逆に新鮮味がある。古い、というよりはこの時点で既に完成されてしまった論考と言うべきか。

 個人的な目当ては「タラス戦考」だったのだが、学術論文にしては思いの外読みやすく、結局一冊全て読んでしまった。一昔前のおおらかさのようなものが表れているような印象も受け、なかなか面白かった。
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鉄勒京二

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