最近読んだ本など

 恒例になってきつつありますが、レビュー記事は立てなくてもいいだろうと思った本や、ブログのジャンルからは微妙にズレる本などについての雑感
 

■小前亮『世界史をつくった最強の三〇〇人』
 このブログでも度々レビューしている(というかレビューしてないだけで中国史ものも含めて一般書は全て読んだんですが)小前氏の新書。分量不足が否めない面もありますが、世界史好きの方はもちろん、世界史を選択している(そして苦手な)高校生にもおすすめしたい本。
 隣は同じ著者の『蒼き狼の血脈』が文庫版になったので貼り付けています。これは純然たる宣伝w
 チンギス・カンの孫、東欧遠征を指揮したバトゥが主人公の小説です。オススメ。


■『ロランの歌』有永弘人訳
 中世フランスの有名な叙事詩。イベリア半島、要は今のスペインでのカール大帝とその甥っ子で勇将ローランが、イスラーム教徒のマルシル王と戦う話。有名なデュランダルを始めとして名剣名馬てんこ盛り。
 何で読んだかというと、アブドゥルラフマーン1世を主人公にしてそのうち小説を書きたいと思ってるからなんですが(アブドゥルラフマーンとカール大帝が戦ったのは史実)、どうも一部を除けば役立ちそうにない。というのもスペイン王の救援でペルシア王やら何やらを引き連れてエジプトの支配者が救援に来たりしますのでw(そして一撃で死ぬペルシア王)
 訳自体は読みやすかったです。次は『エル・シードの歌』でも読もうかと思案中。


■ターレク・オスマーン『エジプト 岐路に立つ大国』
 歴史書かというと微妙なのでこっちに。
 小説でアラブの春について言及したので、何か一冊読んでおこうと思って手にとった本。ナセル期以前の近代エジプト史から説き起こしているので、近代エジプト史の復習にもなります。おそらく著者はエジプト生まれの評論家で、世俗派でしょうか。著者略歴がどこにもないのでちょっと分からないですが(歴史家ではない)。
 記述が政治史・文化史・経済史ごた混ぜなので、読み込むのにちょっと時間がかかりましたし、訳も読みづらくて仕方がない、というほどではないですが、少し「?」と思うところもあったり。悪い本ではないですが。
 ナセルは結局、「英雄」ではあったものの、「ただの英雄」だったんだなあ……(=ナセルが死んだらナセルの築いたものは全てではないにしろ大半が無に帰した)。
 明石書店の『新版 エジプト近現代史』あたりを読んで整理しなおしたいところ。 


■"Putting the Caliph in His Place"
 小説の参考資料として買った本。後期アッバース朝の復興運動を扱っています。
 日本ではだいたい「ナースィルが頑張ったけど大したことなかった」という体で片付けられるんですが、ブワイフ朝末期からナースィルの治世にかけての歴代カリフはあれやこれやの手を使って世俗の権力を取り戻そうとしています。特に、ムスタルシド、ラーシド、ムクタフィーの三代は自ら軍を率いて前線に出ていたりするので注目です。
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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