近況と最近読んだ本など
岩明均さんのアレクサンドロス時代に取材した漫画『ヒストリエ』を7巻まで買って一気読みしました。表紙の絵柄で食わず嫌いしてたんですが、これは面白い! エウメネス主人公ってことはディアドコイ戦争までやるんですかね? えらい長さになりそうですが。
大学最後の夏休みも半分終わったことですし(9月末まで)、なんかもうちょっと活動的なことをしたいところでありますが、暑さがまだまだ厳しい……。
あと、岩波のイスラーム原典叢書なんですが4ヶ月に一度刊行予定と公式ページにあるんですが、『諸国征服史』の二巻がまだ出る気配がないですねえ。二巻はイベリア半島の征服についても書いてあるらしいので期待して待ってるんですけども。
以下、最近読んだけどレビューには入れない本。
■中国ムスリム研究会(編)『中国のムスリムを知るための60章』
タイトル通りの本。現在中国政府の区分として存在するムスリム少数民族(回族、ウイグル族、カザフ族、クルグズ族、ウズベク族、タタール族、タジク族、東郷族、サラール族、保安族)それぞれの解説に始まり、現代中国ムスリムのことばと文化、都市・農村の暮らしなどなどがっつり書いてあります。
中国史のなかのムスリムにも60章中15章割いてあり、中国におけるイスラームの伝播と拡大から、回儒、回民蜂起、清末の回民軍閥、ヤークーブ・ベク政権、日本の回教工作まで、様々なトピックが取り上げられています。
中国ムスリムを知るにあたって必携の1冊。
■近藤二郎『星の名前のはじまり: アラビアで生まれた星の名称と歴史』
天文学史の話題も無いではないんですが、メインは星の名前の話なのでこっちに。
アラビア語起源の星の名前と、その由来の他、アラビア語由来の名前が定着しなかった星についても、アラビア語で何と呼ばれていたかの解説があって面白いです。
著者は古代エジプト学の方で、古代エジプトを研究している人がイスラーム時代のことを書くとトンチンカンなことになるという先入観があるのですが(スミマセン……)、この本はちゃんと著者の専門外なんだろうなあという部分についてもしっかり調べてあって好印象です。
■アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』
■プルタルコス『英雄伝』(中)
先にも書いた通り漫画の『ヒストリエ』を読んでアレクサンドロスとヘレニズム時代に興味が出てきたので、概説書は1冊既に読んでることもあって(森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』)、研究にも使われるような伝記史料を読んでみようと思って手を出しました。個人的には、アリアノスでもプルタルコスでもペルシア王のダレイオスが割とあっけなくやられるのに対して、インド王のポロスが格好よく書かれてるのが印象的。
アリアノスはちゃんと史料批判精神を持っているところが流石だなあと思います。実際、研究者のあいだではアリアノスがアレクサンドロスの「正史」として長く扱われてきた模様。
クルティウス・ルフスの『アレクサンドロス大王伝』も購入済ですが、流石にお腹いっぱいなので積読状態です(マケドニアに反抗したスパルタ王アギス3世が格好いいのでそこだけ読んだ)。
大学最後の夏休みも半分終わったことですし(9月末まで)、なんかもうちょっと活動的なことをしたいところでありますが、暑さがまだまだ厳しい……。
あと、岩波のイスラーム原典叢書なんですが4ヶ月に一度刊行予定と公式ページにあるんですが、『諸国征服史』の二巻がまだ出る気配がないですねえ。二巻はイベリア半島の征服についても書いてあるらしいので期待して待ってるんですけども。
以下、最近読んだけどレビューには入れない本。
■中国ムスリム研究会(編)『中国のムスリムを知るための60章』
タイトル通りの本。現在中国政府の区分として存在するムスリム少数民族(回族、ウイグル族、カザフ族、クルグズ族、ウズベク族、タタール族、タジク族、東郷族、サラール族、保安族)それぞれの解説に始まり、現代中国ムスリムのことばと文化、都市・農村の暮らしなどなどがっつり書いてあります。
中国史のなかのムスリムにも60章中15章割いてあり、中国におけるイスラームの伝播と拡大から、回儒、回民蜂起、清末の回民軍閥、ヤークーブ・ベク政権、日本の回教工作まで、様々なトピックが取り上げられています。
中国ムスリムを知るにあたって必携の1冊。
■近藤二郎『星の名前のはじまり: アラビアで生まれた星の名称と歴史』
天文学史の話題も無いではないんですが、メインは星の名前の話なのでこっちに。
アラビア語起源の星の名前と、その由来の他、アラビア語由来の名前が定着しなかった星についても、アラビア語で何と呼ばれていたかの解説があって面白いです。
著者は古代エジプト学の方で、古代エジプトを研究している人がイスラーム時代のことを書くとトンチンカンなことになるという先入観があるのですが(スミマセン……)、この本はちゃんと著者の専門外なんだろうなあという部分についてもしっかり調べてあって好印象です。
■アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』
■プルタルコス『英雄伝』(中)
先にも書いた通り漫画の『ヒストリエ』を読んでアレクサンドロスとヘレニズム時代に興味が出てきたので、概説書は1冊既に読んでることもあって(森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』)、研究にも使われるような伝記史料を読んでみようと思って手を出しました。個人的には、アリアノスでもプルタルコスでもペルシア王のダレイオスが割とあっけなくやられるのに対して、インド王のポロスが格好よく書かれてるのが印象的。
アリアノスはちゃんと史料批判精神を持っているところが流石だなあと思います。実際、研究者のあいだではアリアノスがアレクサンドロスの「正史」として長く扱われてきた模様。
クルティウス・ルフスの『アレクサンドロス大王伝』も購入済ですが、流石にお腹いっぱいなので積読状態です(マケドニアに反抗したスパルタ王アギス3世が格好いいのでそこだけ読んだ)。