近況と最近読んだ本など

 吉川弘文館から『動乱の東国史』シリーズという日本史のシリーズものが出版されています。今のところ配本は第二回まで(第一回は一巻『平将門と東国武士団』、第二回は七巻『東国の戦国騒乱と織豊権力』。第三回は三巻『蒙古合戦と鎌倉幕府の滅亡』で10月下旬の予定)。
 何か日本史シリーズを読んでみたいと思ってたので、これを毎月追っかけてみることにしました。とりあえず一巻は読了したので七巻に取り掛かりたいところです。

 以下、例によって最近読んだ本と観たDVD
 


■中山雅洋『北欧空戦史』
 友人から貸してもらったので読んだ本です。第二次世界大戦で大国の思惑に翻弄されながら、ソ連と戦いきったフィンランドの空戦史。本国アメリカではいまひとつだったバッファローの活躍がフィンランドでは凄まじい。そしてスウェーデンから応援に駆けつけた某伯爵のネタっぷり……。


■塩出浩之『岡倉天心と大川周明 「アジア」を考えた知識人たち』
 アブデュルレシト・イブラヒムについて読んでいる過程で日本のアジア主義者たちに興味が出てきたので、まずは入門書的なものを読もうと思って手にとった本。特に大川周明は『回教概論』を著したり、コーランを全訳したりと日本のイスラーム研究のパイオニア的なところがあるので、まあ避けては通れないかなと。
 本書を呼んで思ったのは、結局、彼らが「アジア」を捉えるにあたってオリエンタリズムを裏返したオクシデンタリズムに縛られざるを得なかったのは時代の限界だろうなあということ。まあ気になったら本書を読んで下さい。山川のリブレットなので例によって90頁ほどで一ページあたりの文字数も少ないです。
 それにしても、井筒俊彦先生や前嶋信次先生も大川周明と関わりがあったんですねえ。
 『イスラエル』の臼杵陽先生が大川周明について一冊書いているようなので、また今度買って読みたいと思います。


■鈴木哲夫『平将門と東国武士団』
 上に書いた通り、吉川弘文館のシリーズものの一冊。内容は平将門の乱~前九年・後三年の役~保元・平治の乱あたりまで。
 日本史はあんまり得意じゃないんですが、語り口が割合平易なので将門の乱と前九年・後三年の役はなんとか頭に入った気がします(気がするだけかもしれない)。保元・平治の乱については一応読みはしましたがちゃんと理解して記憶できたわけではないので、二巻を読んでからまた再読したいと思います。
 何分予備知識がほとんど無いまま読んだので(奥州藤原氏勃興の事情を始めて知ったレベル)、何が鈴木先生の独自の見解なのかさっぱり見当がつかないんですが、分析のための地域設定(内海と河川を合わせた水際地域)は興味深かったです。


■デビッド・リーン[監督]『アラビアのロレンス』
 言わずと知れた名作映画。実は、たまたま古書店で『アラブが見たアラビアのロレンス』を見つけて買う→先に映画を見ておくかと思ってDVDを買って鑑賞→『アラブが見たアラビアのロレンス』を読む、という順番だったりします。
 オリエンタリズム丸出しな上に突っ込みどころも多い作品ですが(まあそもそもロレンス自身が書いた『知恵の七柱』からして色々変な所があるわけですけども)、CGの無い時代にも関わらず雄大な砂漠を表現できてる点と、衣装の素晴らしさはまだまだ色あせていないと思いますね。
 アレンビーがいたのにザンデルスとケマルがいないのは残念……。そしてフサイン(ファイサルの父王)すら出てこないことにびっくり。
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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