目からウロコの世界史物語/清水義範


 歴史小説初心者にオススメの「疑史世界伝」が文庫化されたもの。
 トンデモ話から、世界史の授業で使えそうな伝記物まで、著者のいつも通りのクオリティである。
 タイトルは「偽」ではなく「疑」である。どちらかというと、西洋中心史観から一歩下がって、かつ初心者向けに分かりやすく世界史の色々なエピソードを書いた短編集だ。一編20頁ほどなので、電車の中で気軽に読める。

 個人的にはキリストを扱ったトンデモ話「ガリラヤのエキストラ」が好きだ。オチに思わず唸ってしまった。
 さらに、サラディンの前半生を扱った読み物としては珍しく平易な「おーい、サラディン」もなかなか貴重である。
 「イスカンダルの伝説」あたりは杉山先生が喜びそうだなあと思ってしまう(ちなみにイスカンダルはアレクサンドロスのペルシア語読み)。

 その手に詳しい人には物足りない話もあるだろうが、割合舞台がバラけているので、感心する話が一つや二つはあるだろう。

章立て

戦場のソクラテス
イスカンダルの伝説
ハンニバルの戦争
ガリラヤのエキストラ
あわただ史記・前編
夜の旅・昇天の旅
フランクが来た
おーい、サラディン
モンゴル八百
新月旗の帝国
ゆめまぼろしの中南米
モザイク・スペインの夜明け
ムガール皇帝たちの愛
あわただ史記・後編
あきんどの国
ヨーロッパの曙
ナポレオンの夢
トルコ人の父
真理を保つ力
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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