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ビザンツの国家と社会/根津由喜夫


 世界史リブレット第104巻。ビザンツ帝国の概説書。
 
 買ったはいいが冒頭だけ読んで積んでいた本なのだが、未読本の消化がてら読んでみると思いの外面白かった。著者は『幻影の世界帝国』で、メチエ1冊まるまる使ってマヌエル1世について書いた根津由喜夫氏。

 本書は5章90頁からなる。1章はありきたりな説明で、正直いって退屈である(実は買ってすぐこの部分だけ読んで積んでいた)。しかし、以降は概説・通史ではあるのだが、注目している点が他の概説書とは少し異なり、タイトル通り「国家」と「社会」に重点を置く。
 ビザンツ帝国の概説と言えば井上浩一『生き残った帝国ビザンティン』などが手頃だが、本書はその後に読むと相互に補完できて役立つと思う(ある程度予備知識がいると思うので、本書を先に読むことはおすすめしない)。
 個人的な印象としては土地制度に関わる話が特に面白い。例えばテマ制に関連して、同時代の西欧との比較で、皇帝があくまで軍事費等の集配の機能を握っていたために、反乱は帝国を分裂させず、反乱の首謀者は首都に攻め上って皇帝に成り代わるという方法を志向したのだという。

 山川の世界史/日本史リブレットは、頁の上部に注をつけるという珍しい形のシリーズなのだが、本書はほぼ全ての頁にわたって注がぎっちりと付けられている。ありがたいことではあるが、どれだけ日本人がビザンツとその周辺について知らないかという話の裏返しでもあり、なかなか難しいものを感じるのであった。
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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