近況と最近読んだ本など

 資金が無いので(『康煕帝の手紙』も『諸国征服史』の2巻も実はまだ買えてない)積んである本を崩しています。レビューにもここにも載せてない本だと『英文翻訳術』や、SF、ロシア文学などを……。
 山川の「世界史リブレット・人」シリーズの4月に出る5冊のタイトルが決まったようで、アレクサンドロス、孔子、カール大帝、バーブル、ビスマルクのようで。日本史の方と同じく全100冊の要諦だそうです。中世枠がちょっと厳しい気がしますが、続報を待つことにしましょう。

 以下、最近読んだ本。
 

■高坂好『赤松円心・満祐』
 人物叢書の赤松氏の巻。我が地元の武将であります(円心・満祐ともに逆賊の代名詞となってますが……)。
 タイトルは円心・満祐ですが、円心以降の赤松氏の盛衰を追っています。円心の死まで読んで積んでいたものを数年越しでやっとこさ読了。初版が出たのが1970年と古い本ですが、今でもそれなりに読めます(つい最近ミネルヴァ書房から『赤松氏五代』という本も出てるので、両方読むとなお良いかと思います)。
 円心は表舞台に出た時点で既に50前後ですが、まあ元気な爺さんだなあと。このあたりの時代は動乱動乱で書くことも多いので、活躍した時期が短くてもそれなりに色々と印象深い出来事も多いのもあるかもしれませんが(白旗城の戦とか)。
 観応の擾乱以降は流し読みですが、いずれ機会があれば再読したいと思います。


■杉本尚雄『菊池氏三代』
 これも人物叢書。征西将軍宮懐良親王と、足利直冬の九州での活動に興味があるのでキーになる菊池氏の本を読みました。
 メインは、菊池氏の武時、武重、武光の三代(とは言っても武時はすぐ死にますが)。
 南朝方の著名な武将は北畠顕家然り、楠木正成然り、アグレッシブで時に早死にの人がちょくちょくいる印象ですが、菊池武光も「征西府確立にいたるまでの武光の作戦は、すべて攻撃にあって、守ることにはなかった」と書かれております……その割には比較的長生きした方であるような気もしますが。
 あと、足利直冬の側近だった少弐頼尚の本拠九州での動向については、『足利直冬』よりもこっちの本の方が詳しかったです。そもそも南北朝時代の九州だけを扱った本がそれほど数が無いので、菊池氏に限らず、九州の状況を知りたければこれを読むのがいいのではないかと。
 良書ではありますが、本文中に脈略はありながらもやや唐突に土地の話や文化史絡みの話が出てくるので、そのあたりだけ拾い読みたい時にはやや不便なところも……。
 近いうちに北朝方の九州探題だった今川了俊の本も読もうと思います。


■北方謙三『楠木正成』
 北方太平記は既に『悪党の裔』と『道誉なり』を読んでおなかいっぱい状態だったんですが、積んでる本が多かったので消化しておくか、ということでこの本も(ちなみに『破軍の星』と『武王の門』も何年か前に買うだけ買って積んである……)。
 一連の北方太平記の中ではラストの作品になるだけあって、混乱しないように配慮しながらも色々と詰め込んである印象。昔に比べればこの時期の知識も増えたので、思ったよりあっさり読めました。
 北方本にしては珍しく、戦闘は控えめで、重点が置かれているのはどちらかと言えば心理や会話。最後は湊川の戦いまで行かずに正成と正季の会話で終了。これが普通の太平記ファンには不評のようですが、本書の正成の戦いは既に「終わっている」ので、わざわざ死ぬとこを書かんでもいいだろうと思うので、これはこれで良いのではないかと。
 個人的な印象で言えば『悪党の裔』よりも本書の赤松円心の方がわかりやすくて格好いいかなと思ったりも。


■仁木英之『千里伝』
 つい先ごろ完結した仁木さんの中華ファンタジー。唐の武将、高駢(千里)の、若いというか幼い頃(と表現していいのかどうか微妙)の話ですが、歴史要素はほとんど無いです。楊行密が出てきたあたりでニヤニヤできはしますがw
 話自体は王道で、友情と努力と勝利と……。ある種の寛容さを強調してあるのも、開かれた唐代らしい雰囲気と相まって良いのではないかと思います。主人公があまり真人間ではないので、特に最初の方は好みが分かれるかもしれませんが、私は普通に楽しめました。
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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