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近況と最近読んだ本など

 完史を色々読み返してたんですが、サラディン没後のもろもろを見ているとアフダルは言われるほど無能じゃないなあと思います。割とアーディルが全ての元凶っぽいというか何というか……。また、地味ながらザーヒルのソツのなさは評価されるべきだなあなどと。ヌールッディーン伝が終わったら、次はサラディン没からアーディルのエジプト掌握までをまとめようかと思っていますが、現状では取らぬ狸のなんとやら……。

 それはさておき、今回読んだ本は南北朝オンリー。これで人物叢書の南北朝時代の武将の伝はひと通り読んだことになるわけですが、武将以外の覚如、花園天皇、兼好あたりは未読なので(あんまり本屋でみかけないんですが)近いうちに読みたいと思います。あと、尊氏の巻が早くでないだろうか。

 というわけで以下最近読んだ本
 


■川添昭二『菊池武光』
 川添先生の菊池武光本が、中世武士選書で復刊されました。戎光祥出版は良い仕事をします。
 最初に出たのが66年ということはちょうど人物叢書の『菊池氏三代』とほぼ同時ですね(ちなみにタイトルは武光ですが、本書も武時と武重にもそれなりに頁を割いてあります)。
 『菊池氏三代』と比べると、割と似たり寄ったりの感もありますが少弐頼尚、畠山直顕の動向により詳しく、また全体的にやや読みやすい印象。掲載されている図表もこっちの方が多く、かつ分かりやすいものになっています。
 どの本で読んでも菊地一族の軍事行動は凄まじく……。補給路を断たれて本拠地に戻らざるを得なくなった時に敵の9城をぶちぬいて帰還したり、敵を攻める時は必ず一直線に敵本拠を目指したり。川添先生はこれを農民の力を吸収した結果と見ているようです。
 あと、本文の内容とは関係ないんですが、帯の文句に「楠木正成・北畠顕家と並び南北朝史に花を添えた希代の名将として名高い」とあって、ああ、義貞さん今回もスルーされてるなあなどと思ってしまうのでありました(確かに名将ではない気はしますが)。

 ところでこのシリーズ、これまでの巻の帯の刊行予定に『伊勢北畠氏』や『斎藤道三』が挙がってて楽しみにしてるんですが、いつ出るんですかねえ。


■新井孝重『楠木正成』
 吉川弘文館の楠木正成本……と思って買ったんですが、中盤は正成出て来ません。正成が関心の中心にはあるものの、正成が生きた時代がどのようなものだったかという叙述がメインです。まあそもそも正成についてはあんまり史料がないそうなので、こうなるのも宜なるかなと言ったところでしょうか。
 ただ、これまでちょくちょく見かけていた正成が得宗被官(あるいは御家人)だった、という話の論拠が示されていて、その部分は興味深く読めました。この説に従うなら(播磨の赤松も関東御家人出身の可能性があると言いますし)、悪党と言われてきた武将たちも単純なアウトローではなかったんでしょう。


■小川信『細川頼之』
 人物叢書の細川頼之本。
 細川頼之は尊氏・義詮の時代に中国地方を平定し(とは言っても大内・山名という大勢力がその領域支配を保ったまま帰順しただけですが)、四国を平らげ、その戦功で管領の座についた人。
 しかし細川頼之と言えば、彼の管領就任とともに『太平記』が幕を閉じるわけですが、実際その時期に戦乱が終了したかというと全くそんなことはないわけであります。この後も九州の制圧であるとか(これは頼之と仲の良かった今川了俊が行います)、幕府の大名同士の派閥争いであるとか、なかなか苦労している印象が。ブチ切れていきなり出家しようとして義満に必死で止められたのも無理は無いと思えるところです。
 本書はそんな頼之の人生がメインの本なわけですが、細川家の頼之の親世代の話も載っており、またあまり概説みかけない南北朝時代の四国の状況がわかるもの面白いところ。
プロフィール

鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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