ド・ゴール/渡辺和行


 世界史リブレット人の一冊。フランスの軍人で政治家、ド・ゴールを中心に彼の時代を描く。
 
 ド・ゴールと言えば個人的にはヨーロッパ統合の流れで周囲の意志・意図を(あえて)読まずに色々引っ掻き回した男(イギリス加盟への拒否や、エリゼ条約締結前のドイツとの同意違反など)というイメージがあるのだが、それ以前、二次大戦から自由フランスを指導した人物でもある。世界史リブレット人シリーズは、簡潔にまとめられた伝記か、ある人物を中心に何らかのテーマを論じる本かに分かれるのだが(既刊だとビスマルクは前者、アレクサンドロスは後者)、本書はどちらかと言えば前者に属する本である。
 周りを振り回す良くも悪くもかなり強烈なキャラクターは、ド・ゴールが陸軍大学に居た頃から問題視されており、出世が遅れたりしているようである。これが祟って大戦中ロンドンに居た頃もイギリス・アメリカのトップとの関係はあまり良くなかったらしい。そういうド・ゴールが、いかにフランスの英雄となり大統領となり、そして五月革命の後、退陣したかが過不足なく書かれている。
 彼が目指したのは「偉大なるフランス」を作り上げることであって、時として自身をフランスと同一視することもあったようだ。それだけの信念の人であることも、本書を読めばそれなりに納得できる。
 彼が戦後のフランスを代表する人物だけあって、これ一冊である程度彼の時代のフランス史も分かるようになっている。ページ数も多い本ではないし、少し興味がある人も読んでみるといいだろう。
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鉄勒京二

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