十字軍/ジョルジュ・タート


初学者向け:○

 副題は「ヨーロッパとイスラム・対立の原点」。絵で読む世界文化史シリーズの30巻目。
 フランク側、イスラム側、そしてビザンツ側の視点がバランス良く盛り込まれており、このシリーズ恒例のビジュアル資料も多く、そこそこ詳しい年表もあり、さらに値段も手頃なので、初学者にはありがたい本である。戦術・戦闘の解説から、両教徒の交流、行政諸制度など、カバーする分野も幅広い。

 さらに、入門用としてももちろん良い本なのだが、モノクロページに様々な文献の抜粋が引用されており、他の本で基本的なことを学んだ後からでも新たな発見があると思われる(例えば、イェルサレム陥落時におけるイブン・バルザーン(バリサンの息子、の意=バリアン・ド・イベリン)とサラディンとの交渉の模様や、クラック・デ・シェバリエの復元図などが掲載されている)。

 ただし、4~8回の十字軍についてはあまり詳しくないので、それらの十字軍に興味がある人は別の本を当たった方が良い。

章立て

第1章 十字軍遠征前夜の地中海世界
第2章 第1回十字軍とラテン国家の成立
第3章 全盛期のラテン国家
第4章 イスラム・シリアの統一
第5章 サラディンの勝利とラテン国家の末路
資料編
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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