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十字軍とは何か ――学説覚え書き

大学図書館で借りてきた本に面白い記述があったので忘備のためメモ
①総体主義
十字軍理念の中心に、聖アウグスティヌスの正戦理念とそれを基に発展した聖戦理念を置く。十字軍の主目的は聖地イェルサレムの解放ではなく、全ての神の的に対して戦う信仰の防衛戦であったとし、十字軍のイデオロギーがそれ以前のものと連続していたことを強調する。
かくして、十字軍の特殊性やそこにおける教皇の主導権を過小評価されることとなる。

②民衆主義
強化偉人の記述を主要な史料としたErdmann(総体主義の人)に対し、「民衆十字軍」を真の十字軍と見なし、大衆的な宗教運動の中に集合的な十字軍理念の本質を見出そうとした。

③伝統主義
十字軍の発動者としての教皇の役割を重視しつつ、十字軍の本質を巡礼特権に置く。従って、その目的地は聖地イェルサレムに限定される。

④多元主義
基本的にはErdmannを踏襲するが、ウルバヌス2世の主導性と革新性を強調する。十字軍の要素として、教皇による十字軍特権を重視し、聖地エルサレムの重要性を認めつつも、その中に聖地十字軍と非聖地十字軍の同等性・同質性を見出す。すなわち、教皇による十字軍勅令が存在するところに十字軍が存在するのであって(教皇中心主義)、その結果、十字軍運動は18-19世紀まで存続することになり、逆に民衆十字軍、子供十字軍や牧童十字軍といった「民衆十字軍」が十字軍から除外されることとなる。

以上名古屋大学出版会「西洋中世史研究入門」より一部省略の上引用

「十字軍の連続性、影響」をどこまで認めるか、の区別、という理解でいいのだろうか……
単に理解の違いなのかそれとも互いに矛盾する部分があるのかその辺も詳しく調べないと分からない……けれどもまあ、中東史、東西対立・交流の面から見るなら当然これだけの区別では役に立たないわけで、さて、どの文献をひっくり返せばよいのやら
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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
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