中島毅『スターリン』


 世界史リブレット人の一冊。副題は「超大国ソ連の独裁者」。ロシア革命の後、権力闘争を勝ち抜き、ソ連を一人で指導するに至ったスターリンの評伝。
 
 世界史リブレット人の中ではスタンダードな評伝の形式を取っており、時系列順でスターリンの歩みについて追っている。
 少数民族問題に関する専門家として頭角を現し、革命を経てレーニンに実務能力の高さを買われて出世し(ただ、この時期までのスターリンはトロツキーらに比べても知名度は低かった)、レーニンの死を経てソ連のトップとなり、トップとなってからも権力闘争の過程で他の有力者と争いながら独裁化を強めていき、第二次世界大戦においてソ連を勝利に導いた後、死を迎えるまで。
 スターリンの歩みを記述していく中で、第二次世界大戦におけるロシア・ナショナリズムとソヴィエト愛国主義の結びつきなどにも触れられる。
 特筆するほど何らかのトピックに偏っているわけではないが、やや党内での権力闘争とその中でのスターリンの権力掌握の過程に重きが置かれている面はあるだろうか。

 最新の知見が反映されており、100ページほどのコンパクトなまとまり方をしているので、スターリンについて手頃に知りたい人にはおすすめできる。もう少し詳しいスターリン伝が読みたければ、中公新書の横手慎二『スターリン――「非道の独裁者」の実像』を次に読むといいだろうか。
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鉄勒京二

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