近況・新刊情報と最近読んだ本など

 新年度が始まりましたがいかがお過ごしでしょうか。こちらは公私ともにいろいろあってあたふたしていますが本を読む時間だけは確保しておきたいところです。
 ところで、長い間書き込みが一切無かったので掲示板を撤去しました。ネットでの掲示板全盛期を知る人間としては微妙な心境ですが、今やSNS全盛期ですからねえ。代わりにメールフォームを設置したので、個人的に管理人と連絡を取りたい方はそちらからどうぞ。

 さて、新刊情報。
 紀伊國屋書店のサイトで山川出版社の「歴史の転換点」シリーズのタイトルと編者・著者一覧が公開されています。隔月刊行予定で全11巻とのこと。このブログとしては3巻4巻あたりが注目でしょうかね。おそらく3巻の750年ではアッバース朝革命が扱われることでしょう。
 講談社現代新書4月麻田雅文『日露近代史――戦争と平和の百年』。メチエの『満蒙』や中公新書の『シベリア出兵』の麻田先生の新刊です。より通史総論的な内容になるのでしょうかね。
 平凡社の「中世から近世へ」シリーズ5月では天野忠幸『松永久秀』が。しばらく前まではネームバリューの割に信頼できる伝記研究で単著のさっぱり見当たらない人物だったんですが、最近は割とコンスタントに本が出ますねえ。

 以下、最近読んだ本。

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近況・新刊情報と最近読んだ本など

 そろそろ暖かくなってきました。こちらは気温が不安定で日中20度を越える日があるのに除雪された雪の塊がまだ残っていたりしますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 『中央公論』の4月号の特集が明治維新だったのですが、その中に「アジアの異端児の過剰反応」と題して岡本隆司、君塚直隆、飯田洋介各先生方の鼎談が掲載されていました。明治維新の話というより同時期の世界史の話をしていて、明治維新について世界がどう見ていたかという問題についての結論は「その答えは、重要ではなく、ほとんど「吹けば飛ぶ」ものだった」(岡本先生談)というのがなんとも身も蓋もなくて思わず笑ってしまいました。

 では、新刊情報。
 新潮文庫今月の新刊に河江肖剰『ピラミッド――最新科学で古代遺跡の謎を解く』。単行本で出ていた『ピラミッド・タウンを発掘する』が文庫化するようです。
 山川出版社から4月、『中央ユーラシア史研究入門』という本が。まさか中央ユーラシアで工具書が(それも名古屋大学出版会ではなく山川から)一冊出るとは思いませんでした。また、同じく山川で「歴史の転換期」というシリーズが創刊されるらしく、第一弾は南川高志 [編]『B.C.220年 帝国と世界史の誕生』となっています。こちらも4月。
 中公新書4月には平川新『戦国日本と大航海時代――秀吉・家康・政宗の外交戦略』。
 2017年中に出るという話でしたが、だいぶ遅れこんで岩波現代文庫の保苅実『ラディカル・オーラル・ヒストリー――オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』 も4月に。
 岩波新書4月は岩波文庫『太平記』の兵藤裕己先生の『後醍醐天皇』。

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近況・新刊情報と最近読んだ本など

 寒波が列島を襲っていますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。こちらは雪でえらいことになっています。まあ外出できないと積読の消化が捗るのでそれはそれでいいんですが。

 中央公論新社の3月分新刊の情報が出ています。新書については珍しくこの月はこのブログとしてはあまり注目すべき本はないかなあという感じですが、文庫に西牟田靖『本で床は抜けるのか』というタイトルが挙がっていて他人事じゃねえなあ……みたいな気分に。
 さて、それ以外の新刊情報。
 星海社新書3月、『周』の佐藤信弥先生の『中国古代史研究の最前線』。日本史以外の歴史本がこのレーベルから出るのは珍しい気がしますが、著者を見る限り安心して読めそうです。
 山川の世界史リブレット人3月は松浦義弘『ロベスピエール――世論を支配した革命家』。

 以下、最近読んだ本。
 

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近況・新刊情報と最近読んだ本など

 遅くなりましたがあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。昨年研究書をほとんど読んでいなかったことに気付いたので、今年は年始から研究書を読んでいます。今年はもう少し研究書・論文に時間を割けるといいのですが。

 ところで、2011年8月のイスラーム特集以来なので3年半振りくらいになりますが、Penの2月1日号を買いました。今回はアラブ特集なんですが、印刷が良いのと解像度が高いのとでやはり写真が美しい(なんと『マカーマート』写本に掲載されている例の有名な13世紀の図書館の挿絵が一頁まるまる使って載っている)のが素晴らしいですね。ついつい我々は歴史の方に目を向けてしまうんですが、アラブ圏の現代建築や芸術家たち、アラブ映画等についても書いてあるなど、なかなか面白い内容でした。


 もう一つ、東京国立博物館で「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」と題してサウジから借り受けた展示物を公開しているようです。サウジ入国は例外はあるにしろ基本的にムスリムでないと無理なので、この期を逃すとたぶんずっと見れない物が多そうな雰囲気です。会期は3月18日までなので、なんとか時間を見つけて行きたいところですが。

 さて、新刊情報。
 日本史リブレット人3月には山家浩樹『足利尊氏と足利直義――動乱のなかの権威確立』 。昨今の室町ブームに乗っかったわけではないのでしょうが、やっと室町幕府の創設者の巻が出ます。もう一冊は永井和『西園寺公望――政党政治の元老』。
 ミネルヴァ書房2月、日本評伝選シリーズから黒田基樹『北条氏政――乾坤を截破し太虚に帰す』。氏政は大河ドラマ真田丸での活躍が印象的ですが、真田丸で時代考証を担っていた黒田先生の氏政本ということになります。ここ最近ミネルヴァ日本評伝選は手が遠のいていたのですが、これは買おうかなと。
 大阪大学出版会から2月末、宮下遼『多元性の都市イスタンブル――近世オスマン帝都の都市空間と詩人、庶民、異邦人』。文学史の研究者の方の専門書のようですが、社会史としても面白そうです。
 創元社の創元世界史ライブラリーから中平希『ヴェネツィアの歴史――海と陸の共和国』。発売日は3月。
 平凡社から新書で小原克博『一神教とは何か――キリスト教、ユダヤ教、イスラームを知るために』。同志社系の一神教本なので大外れということはないでしょう。また、非常に驚いたのですが完結した中世思想原典集成に続シリーズが出るようです。なんとまあアレを完結させただけでとんでもないことだと思うのですが、続きまで出るとは。第一弾はトマス・アクィナス『真理論』の模様。

 ほか、講談社学術文庫には以前ちくま新書から出ていた鈴木董先生の『オスマン帝国の解体』が収録されるようです(どうしてちくま学芸文庫ではなく講談社学術文庫なのかは謎)。

 以下、最近読んだ本。

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近況・新刊情報と最近読んだ本など

 今年最後の近況記事になりそうですが、今年もお世話になりました。

 年間読書は去年に比べれば相当ペースが落ちているものの、なんとか歴史を含む人文関連で50冊を突破というところでした。アウトプットは若干増えましたが、ブログに載せられるようなものではなかったので更新頻度は落ち気味だったかもしれません。

 大河ドラマも無事完結ということで、戦国大河は地方編の方が面白く、中央に出ていってしまうと毎回同じような展開になってしまうなあと思っていたのですが、今年は一年を通じて井伊谷の話で、地元の百姓たちも準レギュラーとしてほぼ丸一年出演していましたし、非常に珍しい面白い大河ドラマでした。さて、来年の西郷どんはどんな風になるのか。

 では新刊情報。
 講談社選書メチエ1月、斎藤慶典『「東洋」哲学の根本問題――あるいは井筒俊彦』。この著者と井筒俊彦の組み合わせというと結構まさかだろ感があるんですが……期待と不安の両方がかなり大きい本です。メチエのもう一冊は上垣外憲一『鎖国前夜ラプソディ――惺窩と家康の「日本の大航海時代」』。
 岩波新書1月には末近浩太『イスラーム主義――もう一つの近代を構想する』。ヒズブッラー(ヒズボラ)関連で研究書を出している末近先生の新刊です。
 勉誠出版2月、堀田あゆみ『交渉の民族誌――モンゴル遊牧民のモノをめぐる情報戦』。出版社サイトでの分野分けは民族学となっていますが、経済学にも絡んできそうな雰囲気です。

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鉄勒京二

Author:鉄勒京二
当ブログは一介の歴史好きが読んだ本を紹介したり、書いた文章を公開したりするための場です。執筆記事は西アジア史関係が多いですが、読書は西アジアにこだわらず地域・時代を広く浅く扱っています。
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